第65回神経生理勉強会 第21回宿泊研修セミナー

平成29年10月8日から9日にかけて、第65回神経生理検査勉強会および第21回宿泊研修セミナーを開催しました。

 

今回のメインテーマは「NCS再確認~技師が知っておくべき基礎と臨床~」。

講師に旭川医科大学病院の伊藤栄祐技師、国立病院機構まつもと医療センターの植松明和技師の2名をお招きしました。

 

1つ目の講演は「神経伝導検査で糖尿病・絞扼性障害のここを診る」と題して、伊藤技師に講演していただきました。

糖尿病の代謝や微小血管障害についての基礎的な事、手根管症候群や肘部尺骨神経障害、Guyon管症候群、総腓骨神経麻痺についての病態や各種検査方法を学ぶ事ができました。

糖尿病も絞扼性障害も日常的に良く見る疾患なので、基礎知識をしっかり確認できた事はとても意義のある事だと思いました。

 

2つ目の講演は植松技師に「手の外科領域で必要とされるNCSのポイント」と題して、  手根管症候群を代表とした正中神経障害と尺骨神経障害について講演していただきました。

 

MMTの評価方法、Tinel徴候、Phalenテスト等の理学的所見から、電極の装着ポイント、手術前後の検査結果やテクニカルエラー、神経破格について学びました。

テクニカルエラーの防止に、短母指外転筋と小指外転筋を同時導出する方法や、自分1人ではなかなか理解しにくいMartin-Gruber吻合について、より実践的な内容を丁寧に解説していただきました。一気に受講者の検査技術レベルが上がったように思います。

 

毎年恒例のナイトセミナーは今年も変わらず大盛況で、参加者の皆さんは深夜遅くまで検査実習をしていました(検査以外にも色々話に花が咲いておりました)。

また、症例検討会も飛び入り参加があるなど活発な会になりました。

 

北海道はちょうど紅葉の季節で、定山渓周辺の山々は綺麗に色づいており、温泉効果も相まって日々の疲れも癒されました。

 

仕事への英気と検査技術を養えた勉強会でした。

 

文責 札幌禎心会病院 藤部綾子