第67回神経生理検査勉強会事業報告(H31.3.2開催)

 

 2019年3月2日に北海道大学学術交流会館にて第67回神経生理検査勉強会が開催されました。参加者は96名で、山口県からの参加もあり大変盛況でした。

 

 今回はテーマを『実践、脳波! ~てんかんの検査・診断・治療~』として、検査技師の立場から、神経内科医の立場から、脳神経外科医の立場からそれぞれご講演頂きました。

 

 講演①は、新札幌豊和会病院 臨床検査科の藤部綾子技師に「打倒!アーチファクト」と題して、脳波検査のアーチファクトについてご講演して頂きました。

 日常よく遭遇するアーチファクトの対策や、その原理について大変わかりやすく解説され、すぐにでも日常の検査に活かせる内容のご講演でした。

 

 講演②は中村記念病院 神経内科部長の溝渕雅広先生に「てんかん診療の極意を伝授」と題して、てんかん診療について神経内科医の立場からご講演して頂きました。

 てんかん発作の脳波所見について、実際の発作の動画などを多数交えながら解説されました。発作時の脳波所見と発作間欠期の脳波所見の違い、また最近よく耳にするNCSE(非痙攣性てんかん重積状態)についても分かりやすく解説して頂きました。

 

 講演③は熊谷総合病院 名誉院長の森野道晴先生に「難治性てんかんの外科的治療」と題して、てんかんの外科治療の実際についてご講演して頂きました。 森野先生のご講演では普段なかなか見られないてんかん外科の実際の手術動画を多数提示され、また、症例紹介では診断や治療、さらに患者さんとのやりとりについてもご紹介され、大きな合併症のリスクも併せ持つてんかん外科の診療の難しさが伝わってくるご講演でした。

 

 今回の勉強会では、てんかん診療における脳波検査の重要性を再認識し、てんかんの診断、治療に対する理解を深める事ができたと思います。

 ご講演してくださった藤部技師、溝渕先生、森野先生、本当にありがとうございました。

 

 

(文責 手稲渓仁会病院 臨床検査部 小川優司)