第60回神経生理検査勉強会 

 平成27年2月28日(土)北海道大学医学部臨床大講堂にて第60回神経生理検査勉強会が開催されました。


今回は「聴力障害・顔面神経麻痺の臨床~診断と治療に活かす誘発電位~」というテーマで、この領域に詳しい医師2人に講師を依頼し講演していただきました。

受講者数は81名、臨床検査技師の他に臨床工学技士やメーカーなど多くの方

に参加していただいて盛況に終えることができました。


講演1は、北斗病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の坂東伸幸先生に講演していただきました。

聴力検査の基礎から始まり、ABR検査目的別統計から小児に多く見られる機能性難聴について、また末梢性顔面神経麻痺の治療効果判定に用いられるENoG値の解釈、耳下腺腫瘍における顔面神経モニタリングなど多くの症例を提示していただき、分かりやすい盛りだくさんの内容でした。

我々が検査した結果を基に臨床がどのように患者の状態や予後を判断しているかを知ることが出来た講演だったと思います。


講演2は旭川医科大学医学部脳神経外科の鎌田恭輔先生に講演していただきました。

術中脳神経モニタリングのトラブルシューティングと最新診断法という題目で、アーチファクト対策の考え方や技術面のポイント、また術中の動画で術野解剖の解説や術者の手技で変化するモニタリング波形の考え方、技師が警告するタイミングなど丁寧に教えていただき先生のお話に引き込まれてしまいました。

高速フーリエ変換を用いた研究の提示もあり、最先端の診断技術の一部を知ることができとても勉強になりました。


最後に回収したアンケートでは82%の方に勉強会テーマや講演内容に満足したという回答をいただきました。これからも北海道の皆さんのニーズに応えられるような勉強会を企画していきたいと思います。
                             

                            文責:野澤理恵