第62回 神経生理検査勉強会

平成28年3月26日(土)北海道大学医学部臨床大講堂にて第62回神経生理検査勉強会が開催されました。

 

今回は「SEPの基礎と臨床~診断と治療に活かす誘発電位~」というテーマ

で、帝京大学神経内科 主任教授 園生 雅弘 先生をお迎えしご講演いただきました。

 

受講者数は88名、臨床検査技師の他に医師・理学療法士など多くの方に参加

していただいて盛況に終えることができました。

 

“SEPの基礎と臨床〜何を見ているのか?何がわかるか?〜を主題に2時間のご

講演でした。

SEPの歴史から始まり、非頭部基準電極導出法、近傍電場電位、遠隔電場電位

、junctional potentialの考え方について、モンタージュおよび各成分の起源な

どを解説していただきました。

 

SEPの臨床応用については、“どのような臨床的疑問に、SEPが役立つか?”を

主題にMRIなどの画像診断が高度に発達した今日におけるSEPの役割についてでした。感覚障害の原因病巣の局在診断、subclinicalな感覚伝導路障害の検出、病変の質的(病理)診断、残存脳機能の検出(脳死の評価)など症例を紹介しながら、SEPの有用性の解説をされました。

 

モニタリングに関連しては、増幅効果、刺激不足のpitfallがあるなどの解説を

されました。

 

技術的問題点については、技師目線からの検査室の状況や機器の設定条件およ

びアーチファクト対策について解説をされました。

 

最後に、日本はSEPの最大の先進国であり、きれいなSEP波形を医師に提供する

ことで、診療への貢献を目指して欲しい。日本臨床神経生理学会の専門技術師を目指して欲しいなど、幾つかのメッセージをいただきました。

 

                            文責:加藤 光宏